映画「窮鼠はチーズの夢を見る」

原作の冒頭を読んで、登場人物二人が好きになれなさそうなので観に行かない!と思っていたのに、気分転換に観に行ってきました。

うーん。。。物語的には共感しなかったな。
単に鬱陶しいだけの恋愛ものだった。
これをみたら恋をしたいなんて思わないんじゃないだろうか。

恋をしてただ相手の存在が愛しくて守りたくて新しい自分を見つけて感謝して。
そういう心の成長よりも、恋の悲しみめんどくささ、それが際立っていた。
先輩、最後には自分の気持ちに従って決断したところには希望を感じた。
パンドラの箱か。

解説だと先輩(ストレート)=クズ、流され侍、なんて書いてあったけど、単に女性にのめり込めなかったのではないかと思った。映画では深く語られないし、先輩自身深く考えていないけれど、性的には女性に反応するけど実はめんどくさくて、役割としてこういうもんだという男性を演じていただけ。女性に上っ面しか見せない人だったし、どれも本気じゃなかったんじゃないかな。ただモテたから付き合っただけ。実際、彼の周りに魅力的な女性はいなかったし。
結局は後輩と真っ直ぐ向き合ってプロポーズしちゃうわけですし、スロースターターなだけで真っ当な人に思えた。

後輩(ホモセクシャル)は、わかったようなことを言って先輩や恋について語っちゃうくせに、結局は別れても先輩に付きまとうし、両想いになれば嫉妬に狂ったあげく「あなたじゃだめだ」とか言って逃げちゃうし、それでもプロポーズしてくれた先輩からも逃げちゃうし、他の男と関係持ちながらことの最中に泣いてるし。。。かなり病んでいる。
なんなのアンタ。自分の中の理不尽な感情に振り回されてるだけ。相手をみていない。そんなんじゃ恋愛は出来ないでしょ。
女性的な口調も好きになれなかった。

先輩の「あいつを傷つけたくない。この気持ちはなんなんだろうな」。
愛を知ったんだなぁ。このセリフだけは心に残った。

それでも。
映画一本作るのにいったいどれだけのエネルギーがいるのだろう。もちろん一人でできるわけじゃない。多くの方々の誠意が籠っている。一人でできることは完璧なように思えるけれど、コラボするときは想像したのと違うから完全じゃなく感じるだけで、化学反応が起こって予測を超えたものができる。そこを楽しめたらいいなと思った。

帰宅してから原作を拾い読み(電子試し読み)したら、なんだかとっても繊細というか、可愛らしくて、乙女チックだった。
先輩を嫌いじゃなくなったからか、当初ほど抵抗はなく。
心情をうるさいほど語っている。小説でもいいんじゃないってくらい。
多分読まないな。

なんにしても幸せを素直に求める健全な話でなかったので、後味がよろしくなかった。明確なハッピーエンドではなかったけれど、きっと後輩は同じことを繰り返すのだろう。中毒にかかっているように。先輩の懐の広さで、後輩が安心して幸せになったらいいなと思います。

映画って2時間もの間、想念を一方的に浴びせられる、冷静に考えると拷問のようなものなのかもしれない。。。
洗脳ツールとして使うのは確かに効果的かもね。

一夜明けたのに後輩の甘ったるい表情が頭から離れない。そして薬局に出掛けたら彼のポスターが貼ってあったよ…。歯ブラシのCM。好みのタイプでは無いはずなのになぁ。先輩も彼の表情にやられたのかもしれないな。

また里〇ばめさんのまんがを読んで、恋したいモードに帰ろう。
では。

前の記事

幸せを追いかける

次の記事

そのこころは