あの頃に戻りたい

そんなふうに思うときがある
それはきっと過去の自分を肯定出来ている証

大好きなマンガがある
ほとんど毎日眠る前にこの作家さんの本を読んでいる

この人の本を読むと昔の自分を思い出す
一途に誰かを好きになって
いつも誰かを思っていた頃の自分を
好きな人の前で
幸せなんだなって泣けた頃の自分を

時はバブルの頃で女性がどんどん強くなっていった
時代の転換期たった
私は昔は本当に慎ましくおとなしかった
回りにイライラされるくらいに
いつも相手の顔色をうかがって損得勘定できなくて
自己主張できなくて
こっそりひとりで泣いているような人だった
そんな自分が嫌で
変わらなきゃって思っていた

真逆の今になって振り返ると
そんな自分がとても愛しく思える
自分のことなんて考えずに
何にも取り柄はなかったけど
人のことをいつも思っていた私のこと

当時付き合っていた人が
「○○ちゃんはきれいだね」といってくれた
外見の話ではない
当時はわからなかったけど今はわかる

その人は男の人のずるさとか欲とか全部持ってて
私の頼りなさも全部見透かしていて
そんなところを頼もしく思いながら

怖かった
いつか捨てられる、みたいな
(この感情は家族にも持っていた)

全然自由じゃなかった私
でもそれでもあの頃の私が懐かしくて愛しい
戻れるものなら戻りたい

強い私
何かに秀でた私
経済力のある私
個性的な私
戦うための武器

それを捨てたら元に戻れるのかな
元に戻りたい

例えこの世で埋没して
価値のない人だと思われたとしても

泣くような話では全然無いのに
私を浄化してくれる作家さん
里 ○ばめさん ありがとう

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