兄を想う

あなたは書道が大好きで
社会に出てからは大好きな書道をやっている時間が無くて
人との関わりに苦労して
さっさと逝ってしまった

私は私で
嫌いなパソコンでしかお金を稼ぐ術がなく
現在進行形で苦しんでいる

あなたは生前父を嫌っていたけれど
父に似た私も嫌っていたけれど
私たちそっくりなのよ
嫌なことができない
自分の望んだことしかできない
真っ直ぐな気質なの

苦しかったね

誰がなんと言おうと嫌なことはしない
望まないことはしない
その勇気こそが
私たちに必要なのものだったのかもしれないね

父は生活のために職人になり
あなたは生活のために教師になり
私は生活のために技術者になった

苦しかったね

ねぇ生きるってなに
生活のために
自分をこの世界の仕組みに当てはめて歪めることなの
この世界は自分のほんの氷山の一角上っ面でしかないのに
そんなもののために
膨大なエネルギーや創造力を望まない形で使わなくちゃいけないの
なんて不自由な生き方

この世界でうまくやっていける人に
こんなことを話しても
誰もわかってはくれない

結局自分を生かすも殺すも
自分次第なのだ
自分を救えるのは
自分だけなのだ
 

こんな思いもすべて 消えて行く過去の姿

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