家族のこと
#1
私は散々家族を傷つけた
自分ではいけないとわかっていても
どうしようもならないものがあった
それは私自身の大掃除だったから
家族はそれを全部引き受けてくれた
ありがとうありがとうありがとう
今となってはこの言葉しかありません
#2
なんで兄が書道に惹かれたのかようやくわかった気がする
絵と違って筆の運びの中に流れがあるからだ
書を書く前に墨を磨る
その過程が心を静かに平らかにしてくれるからだ
あなたがこちらにいる間にわかってあげられなくてごめんね
せっかちな現代人は墨汁を使うけれど
きっと墨を磨ってこそ「書道」なのだ
私も書いてみようと思う
墨もお手本も(兄の遺したものが)うちには沢山あるのだから