メダカ

3月になり暖かくなってきたので、発砲スチロールの中を覗いてみると、こちらの気配に気づいた子たちがちらちらと泳いでいるのを見かけるようになった。
防寒のため水面に浮かべておいたプチプチを外し、観察してみる。

躯が沈殿したもの、水草に張り付いたものなど、
昨年生まれた子たちのほとんどが移行していた。

とてもショックだった。

友人宅のメダカたちは小さい子でも小さいまま冬を越したというので、
きっと彼女のうちでは、外に置いていても日中日当たりが良かったり毛布で防寒したりなど、対策を講じていたのだろう。
私はほったらかしだった。
後になって調べてみると、めだかは5~6月までに生まれた子供たちは冬を越す体力ができるので大丈夫だけれど、
遅くに生まれた子たちは厳しい冬を越すことはできないそうなのである。

そうとも知らず私は単に生まれるのが嬉しくて、面白半分に卵を孵化させていた。
自分のことしか考えていない。
まるでいのちをいたぶるような残酷な行為だと思った。

できるだけの手を尽くしてそれでも死んでしまったならばこんな思いはしなかっただろう。
サイトで得たにわか知識によれば、冬の間は放置でよい、とあるけれど、
彼らとはケージの置き場所も何もかも違うのである。

私もうちの中に置いておくのはかわいそうな気がして、
少しでも景色をみたり風を感じたりしてほしいと思って外に置いたのだけど、
冬の間はうちに入れるべきだった。
寒さでじっとしているならどうせ外を感じることもないのだから。

マニュアルはダメだ。
うちの子はうちに合わせて
べたべたに甘やかすことにする。

ただ生きていてくれるだけ、それだけが彼らの存在意義なのだから。